オーラルフレイルの高リスク状態について

2021/06/15

一般

■肥満や肥満や糖尿病の人は食べ物をうまく噛めていない!?

肥満や糖尿病患者は、口腔機能が低下する「オーラルフレイル」のリスクが高いことが明らかになりました。大阪大学の研究グループの研究によるもので、「Obesity research & clinical practice」に論文掲載されるとともに、同大学のサイトにニュースリリースが掲載されました。

「オーラルフレイル」は口腔機能が低下することを意味し、全身のフレイル(健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態)、サルコペニア(「加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下」)や低栄養などと強く結びついていることがわかってきており、近年、社会的にも注目されてきております。しかしその一方で、過食や食生活の乱れが問題となりがちな生活習慣病の患者では、フレイルと正反対とも言える肥満、つまり過栄養でもオーラルフレイルを認められました。

肥満や糖尿病の患者は、食べ物をうまく噛めていないリスクが高い!?

今回の研究結果は、こうした状態とは正反対に位置する肥満、過栄養の状態も、オーラルフレイルのリスクであり、注意が必要であることを示した結果となりました。合わせてこれまで、肥満や糖尿病患者に対する食事の注意点として、食事の量やバランスに加えしっかり噛んで食べること、すなわち、ひと口当たりの噛む回数を増やすことがよく指摘されてきた一方でしかし今回の結果から、肥満や糖尿病患者では、噛む回数を増やす以前の問題として、そもそもうまく噛めていない可能性が考えられる。噛む回数を増やすという従来の指導にとどまらず、患者の口腔機能の状態を正しく評価し、低下している場合には機能の改善や、口腔機能に合わせた食事内容の提案など、新たなアプローチが必要であるということです。

■その人に合った支援方法を

今回肥満も「オーラルフレイル」によるものの可能性を示唆しました。うまく噛めない理由として、嚥下障害や口腔内の異常によるものが挙げられますが、対策を講じるときりがありません。様々な可能性を考慮、理解して、本人にあった支援を行うことが求められてくる時代となりそうです。

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