認知症 ①

2019/03/10

一般

■認知症概要

2025年には、国民の700万人(約5人に1人)が『認知症』になるといわれています。そんな『認知症』とは、様々な原因から脳の細胞の働きが悪くなったり、死んでしまうことから、色々な障害が起こり日常生活に支障が出ている状態のことをいいます。 認知症の症状には『中核症状』と『周辺症状』というものがあります。『中核症状』とは、脳の神経細胞の破壊によって起こるもので、代表的な症状には記憶障害があります。これ以外のものだと、判断力の低下、場所や名前などがわからなくなる見当識障害が挙げられます。次に『周辺症状』とは、脳の障害により生じる精神症状や行動の異常をいいます。具体的には、妄想や徘徊、暴言、暴力などが挙げられます。『周辺症状』はその人の性格や環境などが合わさって起きるものであるため、症状は人それぞれ異なります。

■ 『アルツハイマー型認知症』 とは

認知症の主なものとしては『アルツハイマー型認知症』、『脳血管性認知症』、『レビー小体型認知症』が挙げられます。今回は、認知症の中でも割合として最も高い『アルツハイマー型認知症』を述べていきたいと思います。『アルツハイマー型認知症』とは、 脳にアミロイドβというたんぱく質がたまり、正常な神経細胞が壊れて、脳萎縮が起こることが原因といわれています。発症には、加齢や遺伝、また、糖尿病や高血圧の方が発症しやすいといわれています。代表的な症状としては、『物忘れ』が挙げられます。 よく『物盗られ妄想』の患者様を耳にしますが、これも症状の一環です。そんな方々への適切な対応としては、『同じ話を繰り返すことに怒らないこと』や『否定せずに話を合わせること』がポイントです。同じ話を繰り返し聞いているとイライラして怒ってしまいがちですが、本人は怒られたという感覚だけが残りやすく、認知症初期の鬱に繋がる場合もあるので注意してください。 現在では、『アルツハイマー型認知症』を完治することは出来ないといわれていますが、症状を遅らせることは可能です。そのため、早期発見・早期治療が重要ですので、周りの方が「少しでもおかしいな」と感じたら、すぐに受診をすすめてください!

■ハッピー坊やのつぶやき

個人的にも注目している仮想世界を体験できる「VR」。今は認知症の方がどのように見えているか体験できるというニュースがありましたので、ご紹介します。

「NHKニュース おはよう日本」

施設スタッフだけでなくご家族も含め、多くの方が体験することによって認知症患者の方への理解が深まり、より良いサービスや対応が生まれるものだと感じます。自動車メーカーHondaの生みの親 本田宗一郎さんの名言に「 人間の幸福を技術によって具現化するという技術者の使命が私の哲学であり、誇りです 」というものがありますが、VRに関しても、これから大きくその役割を担うものだと感じました。

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